2026年10月30日、富士山で今シーズンの初冠雪が発表されました。
富士山といえば、山頂付近が真っ白な雪に覆われた姿を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
ところが、過去には真冬なのに雪が少なく、黒い山肌が広く見えていた年もあったんです。
実は私も、数年前に冬の富士山が黒く見えたことがあり、「冬なのにどうして雪がないの?」と不思議に思ったことがあります。
調べてみると、富士山の雪の量は気温だけでなく、降水量や風など、さまざまな気象条件によって変わることがわかりました。
さらに、2024年には初冠雪が観測史上最も遅い11月7日となり、大きな話題になりました。
そして2026年からは、130年以上続いてきた初冠雪の観測方法にも大きな変更があったんです。
今回は、冬なのに富士山が黒く見える理由や、実際に雪が少なかった年、初冠雪が遅れた背景について調べてみました。
冬なのに富士山が黒かったのはなぜ?
冬の富士山が黒く見えるのは、降水量が少なく雪が十分に積もらなかったり、強風で雪が吹き飛ばされたりして、黒い山肌が露出するためです。
実は、冬の富士山が必ずしも真っ白になるとは限らないんですね。
その理由を詳しく見ていきましょう。
雪が少ないと黒い山肌が見える
富士山の山頂付近は標高が高く、冬には気温が氷点下になる日が多くあります。
ただ、寒いからといって必ず雪がたくさん積もるわけではないんです。
雪が積もるには、気温が低いことに加えて、雪を降らせるための水分も必要になります。
そのため、気温が低くても降水量が少ない状態が続けば、雪が十分に積もらないことがあります。
また、富士山は独立した高い山なので、山頂付近では強い風が吹くことも珍しくありません。
積もった雪が風によって移動したり、吹き飛ばされたりすることも、山肌が見える原因の一つです。
つまり、冬の富士山が黒いからといって、必ずしも気温が高くて雪が溶けたとは限らないんですね。
気温が高い年は雪が積もりにくいことも
もちろん、その年の気温も雪の量に関係しています。
気温が高い状態が続くと、降水が雪ではなく雨になったり、積もった雪が溶けたりすることがあります。
一方で、気温が低くても雪そのものが少なければ、山肌が露出する場合もあります。
また、日当たりや風の影響によって、斜面ごとに雪の残り方が違うこともあります。
そのため、富士山の雪が少ない理由を考えるときには、気温だけでなく降水量や風の状況も確認する必要があるんです。
実際に冬でも富士山が黒かった年はある?
2019年2月には環境省も雪の少なさを紹介
実際に、真冬でも富士山が黒く見えていた年はあるのでしょうか?
調べてみると、環境省の公式記録にも残っていました。
2019年2月20日、環境省関東地方環境事務所は「この冬の富士山」という記事を公開しています。
その中では、富士五湖周辺で例年より暖かい日が多く、降水量も少なかったことが紹介されていました。
さらに、富士山を覆う雪が非常に少なく、真冬にもかかわらず黒い山肌が露出していたことも記されています。
驚いたのは、通常は春の雪解けの時期に現れる「農鳥(のうとり)」という雪形が、2月中旬に確認されていたことです。
農鳥とは、富士山の雪が溶けて山肌が露出した部分が、鳥のような形に見える現象のことです。
昔から地域の人々は、この雪形を農作業を始める目安にしてきました。
本来は春を知らせるような景色が、真冬に見られたというのは意外ですよね。
環境省の記録には、2019年1月31日の雪が少ない富士山と、前年の同じ時期の写真も掲載されています。
写真を比較すると、雪の量が年によって大きく違うことがよくわかります。
私が数年前に見た黒い富士山も、こうした気象条件が重なっていたのかもしれません。
参考:環境省関東地方環境事務所「この冬の富士山(富士五湖エリア)」(2019年2月20日)
富士山の雪が少ないのは温暖化の影響?
冬の富士山が黒く見えると、「もしかして地球温暖化の影響?」と気になる人もいるかもしれません。
確かに、気温の上昇は雪の降り方や積もり方に影響を与える要因の一つです。
ただ、ある年の富士山に雪が少なかったというだけで、その原因を地球温暖化と断定することはできません。
例えば、2019年のように冬の降水量が少なかった場合、気温が低くても雪が十分に積もらないことがあります。
また、風によって雪が移動したり、山の斜面によって雪の残り方が違ったりすることもあります。
地球温暖化による長期的な変化を調べるには、複数年にわたる気温や積雪量などのデータを分析する必要があります。
冬の黒い富士山は確かに気になる光景ですが、それだけで異常気象と決めつけることはできないんですね。
富士山の初冠雪が最も遅かったのは2024年!
2024年は11月7日に初冠雪
富士山の初冠雪が特に遅かった年として知られているのが、2024年です。
この年、甲府地方気象台が初冠雪を発表したのは11月7日でした。
従来の観測方法による平年の初冠雪日は10月2日なので、なんと36日も遅かったことになります。
これは1894年に統計を取り始めて以来、最も遅い記録でした。
それまでの最も遅い記録は、1955年と2016年の10月26日です。
2024年は、その記録を12日も更新したんですね。
なぜ2024年は初冠雪が遅れた?
では、なぜ2024年はこれほど初冠雪が遅れたのでしょうか?
その背景には、秋になっても気温の高い状態が続いたことがありました。
特に富士山頂では、10月の平均気温が当時の観測史上最高となる1.6℃を記録しています。
例年なら雪が降るような時期にも気温が高く、雪が積もる条件が整いにくかったと考えられています。
その後、11月に入って山頂付近の気温が下がり、雪が降りました。
そして11月7日、ようやく初冠雪が発表されたのです。
ただし、初冠雪が遅れる理由は気温だけとは限りません。
当時の観測方法では、実際に雪が積もっていても、雲などで山頂が見えなければ確認できないことがありました。
実際、2024年11月6日には静岡県側で雪化粧した富士山が確認されていましたが、気象台による正式な初冠雪の発表は翌7日でした。
つまり、初冠雪の発表日と実際に雪が降った日は、必ずしも同じではないんですね。
2026年の富士山初冠雪は10月30日!観測方法も変更
2026年から目視による観測が終了
2026年10月30日、富士山で今シーズンの初冠雪が記録されました。
実は、今年から初冠雪の観測方法が大きく変わっているんです。
これまでは、山梨県の甲府地方気象台の職員が、富士山の山頂付近を目で見て確認していました。
富士山の初冠雪の観測が始まったのは1894年です。
130年以上にわたって続いてきた目視観測ですが、2026年からは「解析積雪深」を利用する方法に変更されました。
解析積雪深とは、気象レーダーやアメダスなどの観測データを使って、積雪の深さを推定したものです。
新しい方法では、雲などで山頂が見えない場合でも、データを基に積雪の状況を判断できるようになりました。
長年続いてきた、人の目による初冠雪の確認が終了したというのも、大きな変化ですよね。
2026年と過去の初冠雪は比較できる?
ここで気になるのが、2026年の初冠雪と過去の記録を比較できるのかという点です。
これまでの初冠雪は、職員が実際に目で確認する方法で記録されてきました。
一方、2026年からは解析積雪深による判定に変わっています。
気象庁は、観測方法が異なるため、従来の目視観測による記録とは単純に比較できないと説明しています。
そのため、2026年10月30日という日付を、過去の初冠雪の遅さのランキングにそのまま当てはめることはできません。
例えば、従来の平年日である10月2日と比べれば、2026年の初冠雪は28日後になります。
しかし、観測方法が変わったため、これをそのまま「平年より28日遅い」と評価することには注意が必要です。
2024年の11月7日が従来の目視観測で最も遅かった記録であることと、2026年から新しい観測方法が始まったことは、分けて考える必要があるんですね。
まとめ|冬の富士山が黒いのには理由があった!
今回は、冬なのに富士山が黒く見える理由と、過去の初冠雪の記録について調べてみました。
冬の富士山が黒く見える主な理由には、降水量の少なさや気温、強風などの影響があります。
実際に2019年2月には、環境省も真冬の富士山で黒い山肌が露出していたことを紹介していました。
また、2024年には初冠雪が11月7日となり、1894年の統計開始以来、最も遅い記録を更新しています。
そして2026年からは、130年以上続いてきた目視による観測が終了し、新しい方法に変更されました。
いつも雪をかぶっているイメージが強い富士山ですが、その姿は年によって大きく変わるんですね。
私も以前、冬なのに黒い富士山を見て不思議に思ったことがありましたが、今回調べてみて、雪の量にはさまざまな気象条件が関係していることがわかりました。
これから冬に向かって、富士山がどのように雪化粧していくのかも気になるところですね。




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